アンティーク家具の店イチユウ

ショールームのご案内

英国建築デザイナーの手によるショウルーム

本店から数十メートルの閑静な住宅街に建てられています。
外観はもちろん内装も家具もていねいに設計し作りました。
お尋ねいただければ、店主が案内します。ゆっくりとご覧ください。

エンブレム
様式 リージェンシースタイル
我が城の明かり
玄関ドアはマホガニー
窓は北向きが理想的
テラス 外観の調和
暖炉
スカイライト

イチユウ

エンブレム

エリザベス女王の紋章 | イチユウのシンボル。本物のアンティークの象徴

企業といえば、得てして顧客リストにあるVIPの名を自慢したがるものだが、英国王室御用達資格保持者となると少々話が違う。
あくまでも控えめで王室のごひいきの買い物については一切漏らさない口の堅さが必要なのだ。王室御用達についての規則は非常に厳しいものである。

まず資格が与えられるまでに3年間定期的に王室に商品やサービスを提供したという実績が必要である。さらにこの資格は企業ではなく必ず個人に与えられるようになっており、金銭で売買することはできない。万一その人物が死去したりすると保証の見直しが行われるのだ。

さらにここの企業の繁栄のために王室を利用してはならないという鉄則があり、事細かに定められている資格保持の規則をひとつでも破った場合はその看板を下ろさなければならない。王室御用達資格保持協会はこのように厳しい規則で英国商品やサービスの伝統を守る一方、優れた技能の振興にも力を入れている。

同協会の創立150周年を記念して1990年「商業のため、すなわち徒弟制度や学問奨励のために奨学金制度の確立」を目指す宣言を発表したのである。この制度によってより優れたクオリティの高い商品やサービスが生まれ、新たな英国の歴史を作り続けることは間違いないだろう。

イチユウショールームの紋章は現エリザベス女王が与える紋章である。日本での使用は規制がかからないため使用させていただいているが、限りない英国への尊敬の念と感謝の気持ちを込め、店頭に掲げている。

 

15世紀に生まれた王室御用達制度は日用品から馬車まで業者の数は830。
王室御用達承認の制度には中世以来の歴史がある。

15世紀にはイングランド初の印刷業者、ウィリアム・カクストンが王室付き印刷業者という公職に就いている。
16世紀にはアン・ハリスという人物が、ヘンリー8世付きの洗濯人として年間、1ポンド10シリングでテーブルクロスとナプキンの洗濯を引き受けるという独占契約を結んでいた。ただし石けんは彼女持ちという条件が付いていたが。
また18世紀の王室御用達のなかにはピン職人やモグラ捕り、スタッパーダッシュ(乗馬に使用する泥除け)職人という変わり種までいたようだ。

王室御用達の資格を与えるのは、女王エリザベス2世と皇太后、エディンバラ公、そしてプリンス・オブ・ウェールズの4人だけだが、2人以上から資格をもらっている者も少なくない。ロンドンでもっとも名の通っている店、ハロッズやピカデリーの書店のハッチャーズは4つの紋章全てを獲得している店である。

資格の保持者は英国内で約830人。食料品や衣類はもちろん、様々な商品やサービスに与えられており、ロイヤル・ドルトン、キーブス&ホークス、ターンブル&アッサーなど日本人にもなじみのあるブランドから聞いたことのないものまで幅広い。

王室一家が夏の休暇を過ごすバルモラルにほど近いバレターでは小さな店のほとんどに王室の紋章が飾られている。さすがに女王が地主というだけあって、外科医で3人、肥料で資格を得ているものも9人を数え、そのほかにもバグパイプ職人や伝統的な様式でセメントを使用せずに石壁を組むドライストーンダイカー、農具や種子の供給業者、除草剤の散布業者、果ては紙コップや窓拭きといった具合で、まさにありとあらゆる品物、サービスに及んでいる。

様式 リージェンシースタイル

リージェンシースタイルのショールーム | 正面の緩やかなカーブ

リージェンシースタイルのショールーム | 緩やかなカーブで作られた3階建て

英国人と日本人では家に対する考え方が異なる。新築の家を良しとする日本人に対し、英国人は古くて歴史のある家を優良物件と考える。築100年や200年の物件はざらにあり、なかには1000年以上経っているものもある。
それらは時代ごとにオールダー、ビクトリアン、ジョージアンなどと様式で分類されている。歴史を重んじる英国精神は住宅にまで関わってくるのだ。

だから英国人は住宅を選ぶとき、まず外観にとことんこだわる。不動産広告でも最初に目にとまるのは様式の項目。英国で家を探すなら、この様式を意識しせずにはいられない。
また英国人は建物の前面部分に異様とも思えるほど神経を使う。側面や後面はそんなにこだわりを持たないのに対して前面には固執する。美観的にどうか、周囲との調和はどうかと、とことん重要視する。

家のスタイルもいろいろある。一軒家の場合、大きく分けるとデタッチド(一戸建て)、セミデタッチド(二軒一戸建て)、バンガローまたはコテージ(平屋戸建て住宅)の3種類。
セミデタッチドは独立した小さな家をたくさん建てるより、二軒まとめた方が住宅として立派に見えるという発想から生まれたもの。外観重視の如何にも英国人らしい発想である。

イチユウショールームはリージェンシースタイル。

プリンスリージェント時代は短期であったがちゃんと様式が残っている。家の前面が緩やかにカーブを描く。当方は間口が狭いため、このリージェントタイプが美しい外観を保つのに適している。
リージェンシーハウスは本来4階建てが多いが、高さ10m以内という規制のため3階建てだ。

ロンドン南部の避暑地ブライトンには海沿いにこのリージェンシーハウスが何軒も連なっている。長い緩やかなカーブの連続は壮観だ。建物に興味のあるものならば時の経つのを忘れてその場に立ちつくすに違いないほどの美しいカーブが見られる。英国の建築スタイルを味わうのにはおすすめのリゾート地だ。

我が城の明かり

ショールームの正面左右に付けられたアイアンのブラケット | 全体

ショールームの正面左右に付けられたアイアンのブラケット | 取り付け部

ショールームの正面左右に付けられたアイアンのブラケット | ソフトクリーム型のシェード

「イギリス人は家を自分の城と考える」
とよく言われる。
確かにその通りで、たとえ借家(フラット)であっても最大限の努力をして模様替えをし、装飾品で壁やマントルピースを飾る。タピストリーやカーペットで囲まれている家が多いのも、美的快感を得るためばかりでなく、石や煉瓦造りの家をできるだけ暖かくするためなのだが、ここにも個人の趣味が大いに生かされるわけだ。

イギリスの家庭の暖房装置が石炭や薪を燃やす暖炉からガスに変わり始めたのは20世紀初頭。
ガスを使わず、不合理で不経済な暖炉(熱の半分は外に逃げてしまう)に固執する人は多かった。照明もロウソクやガス灯から電気に切り替わっていく時期であるが、ロンドンのメイフェア地区ではロウソクに頼る生活を続けていた。
そこに住むのは貴族達。
彼らは社交のひとつとして、電気照明で明るくなった劇場に出向くことも多かったし、馬車(ときには自動車)に乗って夜の町を移動していた。ロンドン中心部の街灯はガス灯から電灯になっているところも多かったはずなのに、それでも自宅の明かりはロウソクに固執した。

貴族達はギラギラした電気照明よりもロウソクの明かりが好きで、その快適さを捨てられなかったに違いない。

イチユウショールームの正面左右に付けられたアイアンのブラケットにはソフトクリーム型のシェードを被せてある。
柔らかくほのかな灯りで繊細さを感じられるようにとの工夫だ。

玄関ドアはマホガニー

イチユウショールームの扉 | マホガニー製で緑に塗色しています

ロンドンを例に取ると土地付き家屋の売買は少ない。不動産の広告を見ても、首都の住宅にしては意外に安いものが多いのは
「120年土地権利付き」
などのような家屋の売買が多いためなのだ。

土地そのものは日本ほど重視されないし、所有の必要もない。

英国には地震がない。
そのため、石造りの家屋は何百年もの耐久性を発揮する。多少の模様替えをするだけで2〜3百年前の家でも、新築家屋と同じ快適な居住空間を提供してくれる。現に何百年も前の小さな城郭風の建物を買い取って生活している人たちも大勢いる。

日本では重要文化財に指定されそうな建物でも、単なる不動産にすぎない。過去の有名人、偉人が住んでいた建物でも、それを伝える表示板があるだけで、何の抵抗もなく売買されている。その意味で、イギリス人にとって「家屋」は日本の土地と同じ
「永久財産」
なのである。

英国では環境の整った地域ほど住民の目が厳しく、立て替えや増築の許可を取り付けるのが難しい。その分内装や家具、庭造りに力が入ることになるわけだ。
また家そのものは気軽に買い換えたり改造したりするが、家具や道具は代々譲り受けられていくものが多いので、買い換えたり、買い足す機会は案外と少ない。必要に迫られたときは、彼らは他との調和を考え、たっぷりの予算と時間を掛けて吟味する。なにより重視するのはその建物の時代、例えばビクトリアスタイルか、ジョージアンスタイルかなどという点だ。

イチユウショールームの玄関はマホガニー。
シックスパネルのムク天玄関ドアを使用している。リージェンシースタイルを忠実に守り、外側はモスグリーンのペンキ塗りだが、内側はオリジナルのマホガニーの色そのままとなっている。

窓は北向きが理想的

イチユウショールームの窓は南向き

イチユウショールームの窓 | 理想は北向きです

イチユウショールームの窓 | 開閉は上げ下げ式

日本では南向きの家が圧倒的に好まれている。南向きイコール日当たりが良く明るいという評価だ。

これに対してイギリスでは家がどちらの方位を向いて立っているかはあまり重要なことではないように見える。日本に比べると一年を通して太陽の光が弱く、曇りがちなので、日の差す向きよりも窓から見える景色や周辺の環境にこだわっているのだ。

むしろ、南向きで日差しが良く差し込む家というのは「家具が焼ける」「傷む」などの理由で、敬遠されている。これは一般住宅だけでなく週末だけ使われる田舎の別荘をみても、家具に布を掛けて日に焼けないように注意を払ったりすることでも分かる。家具を消耗品と考える日本ではあまり見られないことである。

石造りのイギリスの家では、全般的に窓の数も少なく、日本の掃き出しのような大きなサイズの窓はあまり見ることができない。
そんなイギリスの家を見て「暗い」「陰湿だ」と嫌がる日本人も多い。たしかに最近の日本の住宅は一戸建てでもマンションでも「各部屋二面採光」がひとつのセールスポイントになっていて、販売チラシでも「南向き」と同じく二面採光は大きくうたわれている。

イギリスでは古い家が多く、100年以上前の家では採光があまり重視されず、強度が下がりがちという技術的な問題もあって、当然のように窓が小さくなっていたのである。

イギリス人は、窓は明るいことよりそこから眺める風景が心の安らぎとなることを重視しているのだ。

「北向きの窓は、一日中太陽の光が安定していて、窓から見える景色が変わらずとても落ち着く」

と言うイギリス人も多い。

イチユウショールームの窓は、木製で上げ下げ式。
玄関ドアと同じで外側のみグリーンに塗ってある。

残念ながら向きは南西向き。 当然、厚いカーテンが必需品となっている。

テラス 外観の調和

イチユウショールーム | テラスのアイアン柵の全景

イチユウショールーム | アイアン柵は唐草模様です

イチユウショールーム | アイアン柵は鋳鉄です

イギリスでは更地に住宅を建てることは、多くの許可や申請が必要なため、あまり一般的ではない。大半の人々は日本で言うところの中古住宅を購入し、暮らしている。
驚くのは築60年以上の家の人気が高く、それらが今でも現役の住宅として住み続けられているという点だ。
その結果古い町並みも壊されることがないのである。

またイギリス人は隣近所の家をとても気にしている。建ち並ぶ家の外壁や屋根の色の統一、デザインの統一などがそれだ。
日本のように町並みの調和を考えず「隣の屋根はグレー、でもうちは茶色」などと言う現象はイギリスにはあまり見られない(ヨーロッパ全体がそうだが)。

これは近隣に対する配慮からではない。

イギリス人にとって「家は城( House is my castle )」だから、どんな些細なことでも自分の家の価値を落とすことをしないだけだ。調和から生まれる美しい町並みが自分の家の価値のひとつだからだ。

「アメリカンドリーム」とはまさに「自由」であるけれども、それに対比してイギリス人にとっての「イングリッシュドリーム」は紛れもなく「家」といっていいだろう。

イギリス人にとって「家」は「物件」などではない。
「家」は「城」であり、
人生最大の夢なのである。

日本人の周囲との調和を無視する家の建て方をイギリス人は、「日本人は家にユニークさを求める。隣と同じはとても嫌で、少しでも個性があったり、変わっていたりすることを好む。要は目立ちたい。だから日本から美しい家並みは消えたのだ」と分析している。

最近はイングリッシュガーデン人気もすっかり定着し玄関先やテラスに鉢植えやコンテナガーデンで飾り付けをしている家が多くなった。注意深く見てみると、特にテラスの花は内向き、つまり家の中から見たときの美観を重視しているように見える。イギリスに限らずヨーロッパの町並みを彩る花は外向き、つまり外を歩く人々の目を楽しませるのを目的としている。

イチユウショールームのテラスは、1880年頃作られたソリッドアイアン製の柵を取り付けた。
鋳型成形の唐草模様で一枚ずつの幅は45cm。高さは70cm。外壁に合わせてアール状に取り付けられている。

暖炉

イチユウショールーム | 暖炉はフェイクコーク入りのエレクトリックファンヒーター

イチユウショールーム | 暖炉の全景

日本は100年どころか、ここ40年ほど前と比較しても何もかも全く変わってしまった。

私自身の記憶を辿ってみても、たとえば子供の頃は母や祖母と薪をくべて風呂を沸かしていた。
一間しかない借家に家族全員で暮らす同級生がたくさんいた。
カラーテレビはごく少数のお金持ちの家にしかないものだった。

そんな貧しい日本がむくむくと立ち上がり、急激に経済大国になっていく、その過程全てを目の当たりにして育ったのがいまの40、50代である。

日本人の暮らしがいかに急激に変わってしまったかを、実体験として知る彼らが、家づくりから子育て、そして仕事と現在の日本で責任ある局面に立たされてる。だからこそ、これから先の生き方の指針が欲しいのに、今の日本にはそのかけらも見あたらないとうろたえている。

日本の街角から消えてしまった古い木造家屋の中には貴重な暮らしのエッセンスが保存されているはずだった。

昭和初期の住宅。
その前に立つと中の様子をのぞいてみたい衝動にかられる。

これこそ、イギリスの古い家の窓辺にたたずむ感覚と同じ。そこにはかつての貧しくとも人間的で工夫に満ちた日本の生活が残っているような気がするのである。それを確かめ、それに一瞬でも触れたいと思うのである。
それが日本人が伝えてきた暮らしの中の知恵であり、感動だから。

日本の生活の中で囲炉裏の存在は非常に大きかっただろう。
囲炉裏を囲んでの食事やおしゃべりは心と体を満たす大きな役割を果たしてきた。古来人間は火を見ることを好む。火から授かるエネルギーを欲してきたからではないだろうか。

イギリス人も同様に、暖炉が無くては生きてはいけないと言っても過言ではない。
家づくりは暖炉が基盤。
それで家のスケールや家主の置かれている社会的地位までも透けて見えてくるのだから。

イチユウショールームの暖炉は、フレームが建物に合わせてリージェンシースタイル。1820年製のブラックストーンアンティークだ。
残念なことに居住地区規制により薪は使用不可。フェイクコーク入りのエレクトリックファンヒーターを使用している。

スカイライト

イチユウショールーム | 階段のスカイライト

日本で暮らす英国人が、建築家の建てた家をリポーターが紹介するお宅拝見番組を見て最初に放った一言は「日本人の家はクレバーすぎてついて行けない」だったそうだ。

彼らはなぜそう思ったのか。
毎週放送されるこの番組の中で、彼らが一番驚いたのはおびただしい収納の数だという。紹介される家は毎回これでもかといわんばかりに天井裏から床下まで、あらゆるスタイルの収納が登場している。
トイレの天井に戸棚、キッチンは壁面全てが収納、リビングの作りつけベンチも蓋を開ければ収納。それでも収まりきらないものは地下室にびっしり詰め込まれている。

英国人は異口同音に
「考えられない。棚や物入れは各部屋に一カ所あればそれで済む。日本では家中棚だらけ。屋根裏や地下室までを納戸にして、今すぐ使わないものを山のように抱え込んで暮らしている。そのこと自体を誰もおかしいと思わない。『もっと収納を増やしましょう』とメディアや建築家が言えばそれにありがたく飛びついてしまう。変だよ」
とあきれ顔で言う。

日本の建築家はアイディアをいっぱい出す。床下暖房、浴室乾燥、ビルドイン浄水器、セントラルクリーナとハイテクノロジーのオンパレードだ。メディアもこれらをあって当然のごとく「ハイテク什器」として紹介する。
便利な物はどんどん取り入れて当然だと‥‥

どれも完璧な計算の元に作られている。まるで数学のように。
台所に立つ主婦の身長に合わせたシンクや、食器の数やサイズに合わせて作られた戸棚。太陽の動きを計算して窓の位置を決めたりもする。夏の朝、太陽はどこから昇り、昼はどこにくるか、それに合わせて電動の開閉トップライトを付けたりまで。

考え尽くされていてもどこか冷たく味気なく思えてくる。とても便利なのは分かるが、一体どこまで機能的になればいいというのだろう。

英国の家は至ってシンプル。
付帯設備は少なく、もっとも築年数の古い家ではハイテク什器は付けたくとも付けられないという事情もあるとはいえ、浴室乾燥機などあるわけがない。
だからといってそれで住みにくいという評価にはならない。
改善して愛着が湧き、心豊かになる英国の家。
それに比べると日本の最新の家は便利さで武装した機械のように感じられないだろうか。

イチユウショールーム階段のスカイライトは、もちろん動いたりしない。

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