アンティーク家具の店イチユウ

アンティークと暮らす:書斎

イギリス貴族の屋敷には、書斎(スタディ)とライブラリーがかならず設置されている。そしてこのふたつの部屋の用途は全く別のものである。

書斎はライブラリーに比較すれば小さく、主人が読書をしたり、ものを書いたりする場だが、あくまで個人の教養のための部屋である。公的な手紙や書類へのサインなどは、ジェントルマンズ・ルームで処理されることになっているからだ。

まず書斎の位置は客の出入りする場所から少し離れているのが普通であり、ライブラリーに通ずるドア以外に通路はつくらない。静寂とプライバシーを守るための部屋であるから当然のことであろう。
窓のある側以外のすべての壁に書棚が並び、部屋のほぼ中央に大机、窓際に小机が置かれ、他人の入る隙を与えないのが特徴だ。かといって閉ざされた雰囲気はなく、左手に窓、右手に暖炉という具合に、気持よく自分の時間を過ごせるようになっている。
そうしたことからも、書斎は紳士の私室であり、憩いの場であることは疑いない。しかも書斎には他人や家族を受け入れるような家具類は置かないことになっているので、イギリス紳士独特の虚栄と格式を見せるものではなく、教養と孤独の快感を得るのを旨としたものになっている。
書斎は教養ある紳士の真の居間と言って差しつかえないだろう。

ライブラリーは書斎とは違った性格をもっている。
第一にライブラリーは他人の目を意識してつくられている。

「ライブラリーは紳士の教養の深さと文学的趣味のよさの判断基準になる部屋であり、単なる書庫であってはならない」

というのが紳士間での共通認識である。

ライブラリーは個人の趣味によって異なるが、相当広いスペースがとられる。他人の目を意識するため、室内装飾は天井や床に至るまでピクチュアレスクなものになっており私達が想像する書庫、あるいは図書館のイメージとはほど遠い。
紳士が自分のライブラリーに自信を持っていれば、この部屋で客と接することもある。そのため簡単なお茶の用意もできるテーブルや椅子が置かれているのが普通となる。このときライブラリーは応接間の役割を果たすことになる。
書棚はもみの木か松の木でつくられ、家紋入りの見事に装丁された本がぎっしりと詰まっている。

その部屋が趣味よく装飾されていれば、ライブラリーこそ成金紳士を圧倒する部屋となる。

ホール・応接間・食堂といったものはお金をかければそれなりにいいものはできるが、ライブラリーに見られる先祖伝来の家紋入りの蔵書は新興成金に真似のできるものではないからだ。

書斎用チェアー
  マホガニー製フレーム、アンティークレザー

アンティーク家具 マホガニーフレーム、アンティークレザーの書斎用チェア

アンティーク家具 マホガニーフレーム、アンティークレザーの書斎用チェア 背もたれの飾り

アンティーク家具 マホガニーフレーム、アンティークレザーの書斎用チェア 背もたれの飾り

アンティーク家具 マホガニーフレーム、アンティークレザーの書斎用チェア

「アンティークと暮らす」へ

イチユウ