アンティーク家具の店イチユウ

アンティークと暮らす:ダイニング

 

ダイニング向けの華奢なテーブル マホガニー製

アンティーク家具 ダイニング用マホガニーフォールディングテーブル

ダイニングテーブルについて日本では一枚板をありがたがる傾向が感じられる。
英国の事情と比較しながら、一枚板とはぎ合わせ板ついて考えてみよう。

一枚板についてどんなものかということに説明は必要ないだろう。

「ムク材で板は厚ければ厚いほどいい。そのほうが丈夫に違いない‥‥」

そういう考えはもっていないだろうか。

「はぎ合わせよりも一枚板のほうが良い材料だ。だって高いじゃないか‥‥」

そう思い込んではいないだろうか。

一枚板は貴重だ。
テーブルを作るのに幅90センチの板が欲しいとすると、その板を取る木は直径が90センチでは足りない。
1メートル以上ないと切り出すことはできない。厚みが欲しければなおのこと。
さらに枚数を取ることができない。当然、一枚板の家具は高価で数が少なくなる。

しかし木は生きている。
一枚板は反ったり、割れたりしやすいことを忘れてはならないだろう。

同じだけの木材があったとき、高いひとつのテーブルを作るのもひとつの方法だが、より多くのテーブルを作るという考え方もある。はぎ合わせに限らず多くの技法が「より多く」の家具を作る目的で生み出されたのだ。幅の狭い木材でも並べてはぎ合わせれば十分な幅になる。単純な「いもはぎ」もあるが、「アリ組み」「やといざね」などの技法で強度を上げるのだ。
またこの貼り合わせを工夫することで反りを防ぐことができる。木表、木裏を交互に組み、奇数枚ではぐのだ。木は木表側に反り返る。交互に組むと反りの方向が逆で互いに反りを防ぐのだ。ちゃんと作られたはぎ合わせは丈夫で狂いのない良い材料なのである。

このような技法は日本もヨーロッパも同じだ。職人の知恵は洋の東西を問わず同じ技法を生み出した。感心するばかりである。

英国ではキッチンとダイニングルームは別になっている。しかし特別なことがない限りダイニングルームは使わない。朝食や簡単な夕食はキッチンで済ませてしまう。
キッチンにはナラ、ニレ、パイン等のムク材の頑丈なテーブルが置かれる。
食事をするテーブルであると同時に調理の作業台でもあるからだ。

対してダイニングルームにはマホガニーの華奢なテーブルが置かれることが多い。こちらはエレガントなダイナーを楽しむ場所なのである。

アンティーク家具は、それがどんな価値観をもって製作されたのか、そこに思いをはせなくては価値を見誤ってしまうだろう。

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